被害者請求時の損害の調査はどのように行われるのか?

交通事故の損害賠償を加害者ではなく被害者自身が行うことを「被害者請求」と呼んでいます。ではこの場合での「損保料率算出機構」との間で行われる損害調査はどのような流れで行われるのでしょうか。ここではそれについてを見ていきましょう。

損害調査の5ステップ

①交通事故に遭った被害者が損害賠償として自賠責保険から保険金の支払を受けるためには加害者の加入している自賠責保険に請求書類を提出します。
②被害者側から請求書類を受け取った保険会社は書類に不備がないかを確認の上、損保料率機構の調査事務所に送付します。
③請求書類を受け取った損保料率機構の自賠責損害調査事務所は事故発生の状況および自賠責保険の対象になるかどうか、また傷害と事故の因果関係や事故によって発生した損害額をなどを書類に基づいて調査しまします。
④調査が終了したら損保料率機構は損害保険会社などへ結果を報告します。
⑤損害保険会社は損保料率機構から送られてきた調査結果に基づいて損害補償の支払額を決定し被害者に保険金の支払を行います。

被害者の過失割合が大きければ保険金の減額や支払われないこともある

被害者から請求のあった交通事故損害賠償に対して損保料率機構で損害調査が行われるわけですが、被害者の過失の割合が大きいと判断されることもあります。この場合に特に被害者の過失割合が大きければ、保険金が支払われなかったり、減額されることがあります。これに対して被害者側から異議申し立てがあった場合は、損保料率機構の上部機関である地区本部において、もう一度慎重に検討しなおして判断されます。それでも判断が難しい場合は保険料率機構の本部において専門家からの意見を得るなどして、更に協議と検討を重ねた上で最終判断がなされます。

自賠責保険は任意保険に比べて被害者側に有利

死傷をともなう交通事故でも、加害者にまったく責任がなく原因の100%が被害者にある場合には自賠責保険は支払われません。これを被害者の「10割過失」と言います。また被害者に7割以上の過失がない場合は、死亡事故、後遺障害の事故、傷害事故のいずれに対しても損害の全額が自賠責保険から支払われます。また傷害事故では例え7割以上の過失があったとしても、10割でない限り減額されるのは20%だけです。それに「後遺障害事故」や「死亡事故」でも、もし加害者に1%でも過失があった場合は被害者は半額の賠償がもらえるのです。このように自賠責保険は任意保険に比べて被害者側有利に立って賠償金が支払われているのが実情です。

自賠責が支払われない「無責」の件数は減少傾向にある

被害者の「10割過失」で自賠責保険が支払われない、いわゆる「無責件数」は死亡事故の場合では長い間年間1000件ぐらいで推移していました。これは年間数千件で推移している傷害事故の無責の割合に比べると総件数に対する割合が非常に高く、まさに 死人に口なし を証明している、と言ってもいいような状態でではないでしょうか。これに対して世論の批判が次第に強くなり、その後通商産業省にも改善の動きが出てきました。そしてこれに対する対策として自賠責保険の無責などを認定する「自算会」に対して調査を命じました。その結果、死亡事故の無責件数は半減してきたようです。それだけでなく傷害事故における無責件数も次第に減少に転じています。

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